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6年の総仕上げ5年の基礎固めに『出口の小学国語レベル別問題集』 [国語]

一応『出口汪の新日本語トレーニング』を終えて基礎の土台はできたかと思うので、次のステップとして基礎固めに入るため、『出口の小学国語レベル別問題集』(以下、『レベル別問題集』と略)に取り組むことにしました。

『レベル別問題集』の一番の特徴は「フルカラーできれい」です。って全然学習するに当たってのメリットではないように思われるかもしれませんが、使うのは国語が得意ではない息子。

いくら詳しい解説が書いてあっても、小さい文字でぎっしりと詰め込まれていては、すぐにやる気が失せます。『レベル別問題集』は、章ごとに色が変わっていて、行間もたっぷり。内容が難しくても読み進められるデザイン力があります。
出口小学国語1.jpg

いいのはデザインだけではありません。『出口汪の新日本語トレーニング』でも紹介したように出口さんの参考書は理路整然と書かれているので、きちんと読み進めると国語力はつくようです。

たとえば、「物語文の解き方」では、物語文を解くには、普段の読書とは異なる読み方が必要で、「どんなにたくさんの物語を読んでいたとしても、問題の読み方と解き方を知らなければどうにもならないのです」と説明し、実際の問題の読み方、解き方について解説して、それを踏まえて問題を解く構成になっています。

はじめはまだ難しいかなと思っていたので、試しに1章だけやってみて、無理そうならしばらく期間をおいて進めようとしていました。息子は、「うーん、ちょっと難しいかな」といいながら何とか解いてました。

一冊やり終えたあとは満足感で一杯だったようですが、「パパ見て」といってちょっと顔を曇らせて指さした箇所は著者の結びの言葉。「ここまでよくがんばりましたね。でも、国語の勉強はこれで終わったのではなく、これからいよいよ始まりです。」と書かれた一文。そうなんです、一冊終えたいまの位置がスタートライン、レベル「0」だったのです。

「よし、これからが本番か。やれるか」と尋ねると、なんとか1冊クリアした自信からか「やれそう」とのこと。決して「やれる!」と断言するところまでいかないにしても前向きな返事に、「無理そうなら期間をおいて進めよう」とか「一度仕上げたら、もう一度回そう」と考えていたこともすっかり忘れ、すぐに『レベル別問題集1 基礎編』の購入に走ってしまいました。

しかし、2冊目を解きはじめてすぐに、記述などで空欄がではじめました。「なんとか間違ってもいいから書こう。まったくの空欄だとせっかく考えたのに、なにも考えないで『わかりません』と言う子と同レベルに扱われるよ」と説明。

もう一度問題を読ませ、なにを問うているか自分の言葉で説明させ、「では、それはどの段落に書かれてた」と尋ね、「この段落」と答えられるので、「じゃあ、その段落のどこらあたりだろう」と聞くと「ここかも」。「では自信を持って書いてみよう」というと、なんとか書けました。
出口小学国語2.png

アドバイスとしては「問いをよく読む」「なにを問われているかもう一度考える」「どの段落に答えはありそうか」「そこから解答を導く」など、直接的なヒントは与えていないのですが、これらのことを確認させると解けるのです。この問いを自問自答できるようになったとき、はじめて自分の力で解けるようになるのでしょう。

小学国語では「レベル3」まであるので、来年のこの時期までに(6年生の方、すみません)その力が培えればいいのになと、期待をこめて見守っていこうと思います。

各問題集はひとつの章に2題のこともありますが、だいたい10のパートからなるので、1冊10日、4冊で40日で一通りできます。

6年生のこの時期からでも十分時間は確保できそうです。毎日演習問題をこなしているのに、または塾できちんと授業を聞いているのに国語の点数が伸びないなどでお悩みの場合は、挑戦してみる価値は大いにあります。

各問題集で「説明文」や「物語文」、「随筆」、「詩」などのジャンルに分けて解説しているので、中学受験「国語」の総仕上げになります。

また、受験する中学の入試問題の傾向に合わせて、各問題集から出題されるジャンルの問題、たとえば「説明文」と「物語文」だけを解き進めるなどの対策ができます。

5年生も含めてですが、各問題集で解答がなんだか怪しくなってところで、次のレベルに進まずにもう一度そのレベルの問題集を繰り返すと、効果が上がりそうです。

◆関連記事 伸びない国語の偏差値を上げる土台作り 『出口汪の新日本語トレーニング』


出口の小学国語レベル別問題集 0 理論編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

出口の小学国語レベル別問題集 0 理論編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

  • 作者: 出口 汪
  • 出版社/メーカー: ナガセ
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 単行本



出口の小学国語レベル別問題集 1 基礎編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

出口の小学国語レベル別問題集 1 基礎編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

  • 作者: 出口 汪
  • 出版社/メーカー: ナガセ
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 単行本



出口の小学国語レベル別問題集 2 標準編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

出口の小学国語レベル別問題集 2 標準編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

  • 作者: 出口 汪
  • 出版社/メーカー: ナガセ
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本



出口の小学国語レベル別問題集 3 難関編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

出口の小学国語レベル別問題集 3 難関編 (東進ブックス レベル別問題集シリーズ)

  • 作者: 出口 汪
  • 出版社/メーカー: ナガセ
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本





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国語の記述問題は、間違いをビジュアル化して分析する [国語]

 国語の記述問題でいつも解答を空欄にする、なにも書かない場合は、間違ってもいいから、とにかくなにか書いてみる。そうすることで部分点がもらえる場合もあることを知り、少しずつ「書ける」ようになります。

 と、前に書いたのですが、息子の場合は、なんとか「書ける」ようになってきたのですが、まだ、まったく見当違いの解答を書くときもあります。

抜き出し.jpg そこで、つぎの一手として、間違いの「ビジュアル化作戦」に乗り出しました。
 記述問題で、「なぜ作者はそう考えたのですか理由を説明しなさい。」などの問いは、「文章中から書き抜いて答えなさい」、「文章中の言葉を使って説明しなさい」、「自分の言葉で説明しなさい」など、解答の指示は文章を抜き出すか、うまくまとめるか、自分でまとめるかなどに分かれます。

 しかし、どれも文章中から解答に該当する箇所を見つけて傍線を引き、それを書き抜くか、まとめるか、自分の言葉で書くかの違いですので、該当箇所を的確に把握できれば正解へと導けます。

 そこで、間違った記述問題では、息子が問題を解いているときに文章に引いた箇所をピンクでマーキングし、実際の正解に必要な箇所にブルーのマーカーを引きました。

 それまでも、自分の選択した部分と解答がどう違うのかを、解説文などを読みながら理解しようとしていたのですが、マーカーを引くことによって、はっきりとその違いが目で確認できるようになりました。

抜き出し2.jpg また、正解部分をかなり押さえていた場合は、あとなにが必要だったのかがひと目でわかり、本人も、しっかり理解できているようです。

 なかなかブルーのラインとピンクのラインの距離は縮まらないかもしれませんが、自分がそこに傍線を引くにいたった考えと、正解の考え方との間違いを把握するには効果的です。



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iPhoneやiPadを中学受験に活かす5 電子書籍で夏目漱石や芥川龍之介などの文豪作品を読む [国語]

「iPad=電子書籍」のようにマスコミでは報道されていましたが、当たらずといえども遠からずで、iPadが電子書籍を読むツールとしての代名詞になっています。ここでは、「iPadは電子書籍を読むだけのツールじゃなくて……」なんてケチなことは言わずに、ずばり、「iPadを中学受験の読書に役立てる」ツールとして紹介します。

 iPadで電子書籍を読むには、電子書籍を表示するツールが必要になります。ツールにはいくつかあるのですが、ここでは「i文庫HD」を紹介します。
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ibunko02.jpg 「i文庫HD」は電子書籍ビューアというアプリケーションです。起動すると本棚のイメージが表示され、そこにあらかじめ収録してある電子書籍が並べられています。国内の作家では、夏目漱石や芥川龍之介、森鴎外などの文豪作品、海外ではコナン・ドイルやグリムなどの作品が収録されています。

 これらの書籍は、青空文庫の蔵書です。青空文庫の詳細については、「パソコンで夏目漱石や芥川龍之介などの文豪作品を読む」をお読みください。「i文庫HD」は900円ですが、いきなりiPadのなかに、夏目や芥川のほぼすべての作品を取り揃えたことになります。



 もちろん、宮沢賢治や新美南吉、石川啄木などのオンパレードです。読みたい作品は青空文庫のWebサイトから随時ダウンロードできます。
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 前にパソコンでも電子書籍は読めると書いたのですが、パソコンで表示すると、自分にはどうしてもテキストの羅列に感じてしまいます。参考資料として表示するにはもってこいなのですが、「作品を味わう」ところまで入り込めません(「どーも電卓はしっくりこねーなー。やっぱり玉をはじかなきゃ」という方と同じ心境なのかもしれませんが)。

 それが「i文庫HD」などを使うと、iPadで電子書籍ならではの読み方ができます。まず、ページをめくる感覚で次のページに進めます。別にデジタルデバイスで、「まるであたかも本を読み進めている感覚」はいらないかもしれませんが、それがどうしてどうして。ボタンをクリックして次のページに進む無味乾燥な操作と違い、ぱらっとページがめくれると、精神衛生上、みょうに落ち着きます。小さいころからの習性で、脳が「本はめくって読むもの」と頑なに記憶しているからかもしれません。
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  また、「i文庫」は、iPhone版のころから愛用しているのですが、iPhoneだと、どうしても文庫本サイズでさえ1ページ表示になり、読みにくさは否めませんでした。右の画像がiPhoneで、同じ夏目漱石の「坊ちゃん」を表示したものです。
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 iPad用の「i文庫HD」では、見開き表示でき、より本らしく読めます。もちろん文字のサイズも変更できるので、お子さんが読む場合には文字を大きくできます。また、背景の色やフォントなどを自分の読みやすいようにカスタマイズすることができます。
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 さらに便利なのが辞書引きです。意味のわからない単語を指で長押しすると、その単語を調べる画面が表示されます。デフォルトでは「Yahoo!辞書」が登録されていて、これを選ぶと、Webの辞書サービスで単語を調べることができます。いちいち読書を中断して辞書を引く手間が省けて便利です。ibunko08.pngibunko09.png

 また、「この引用は書籍のどこだっけ?」とか、「あの名台詞が書いてあった箇所は?」など文字検索もできたり、気になるところにいくつも栞をはさみ、瞬時に探し当てることなど、紙にはないメリットもあります。
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 雑誌などで、ぱらぱらっとめくって、気に入ったところを読む、といった使い方はできませんが、名作を、腰を据えて(寝転がって?)じっくり読むには、違和感はありません。また、書籍を保管するスペースがゼロ、本棚不要なのが、狭い我が家にはたいへん助かります。

 昨今話題のマイケル・サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』や村上龍さん、京極夏彦さんの書籍をはじめ、各作家の作品がいくつも電子書籍化されています。近い将来、「中学受験 必読書」のうちの大多数が電子書籍化されるでしょう。そのなかの文豪作品などはすでに電子書籍化されています。
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これからの「正義」の話をしよう
※マイケル・サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』は、2010年9月17日までは来日記念価格900円です! 18日からは1600円です。話題になってるけれど、哲学書だし、ハードカバーで2,415円なので、ちょっと……と二の足を踏んでいた方にお薦めです。上のボタンからApp Storeにアクセスできます。


 いずれは各家庭に浸透すると思われる電子書籍デバイス。まずは、お子さんと名作を楽しむところからはじめてみませんか。



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